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活動報告

議員報酬・費用弁償条例改正案について

61番、民主党・無所属の会の菅克己です。会派を代表して、議第4号埼玉県議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論をいたします。
 
これまで、議員の期末手当の支給割合の引上げ・引下げについて、その都度、条例改正を要し、議員は、条例案の審議に当たって住民の批判を受け止める必要がありました。しかし、この改正が行われると、平成28年度分以後について、特別職の期末手当の支給割合の引上げ措置に伴い、自動的に議員の期末手当の支給割合の引上げが行われるため、議員の期末手当の引上げが正面から議論されづらくなります。すなわち、埋もれた形での期末手当の引上げ、ないしは、たなぼた式増額が行われます。このような連動措置を導入せず、その都度、議員自らが期末手当の支給割合について、自らの問題として、住民の声に耳を傾けながら、正面から議論することが本筋であります。

 この条例改正の根拠となっているのは、「国会議員の歳費、旅費及び手当に関する法律」、所謂「歳費法」により変更された期末手当額に連動するものです。人事院勧告によって、国家公務員の一般職は、給与と期末手当について増額、減額が判断されます。そして、一般職に含まれる指定職としての位置づけである内閣総理大臣等の特別職国家公務員のそれは、一般職の給与と期末手当に連動し、更に今回埼玉県の知事や副知事等の特別職の期末手当が連動、それにならい県議会も連動されたものです。
しかし、国会は議員内閣制であり、県議会は二元代表制であります。国会の行政組織の給与体系に準拠するのは無理があります。常に二元代表制を主張している埼玉県議会が、自らのこととなるとお手盛りで、他律的な制度を構築していいものでしょうか?今まで、「議員報酬及び費用弁償に関する条例」と「特別職の職員の給与及び旅費に関する条例」に二つに分かれ、それぞれ自律的に存在していた条例を、連動させることで、自律性も全くなくなるものになってしまいます。だからこそ、今まで条例を連動させていなかったのであり、二元代表制の矜持を持つべきであります。

 本件については、現状ある報酬審議会にて議論すべき内容だととらえます。
現行の報酬等審議会条例は、報酬等審査会の必要的諮問事項を議員報酬及び知事・副知事の給料額に限定し、議員の期末手当を諮問事項に含めてはおりません。これは、いわゆる本俸である議員報酬について第三者機関の意見を聴けば、期末手当は議員報酬月額に係数を乗じて自動的に算出されるため、第三者的見地による公正さの担保が図られるとの考えによるものと考えられます。議員の期末手当の支給割合は、特別職の期末手当の支給割合に合わせることが制度的に必要というわけでなく、住民の意見を受け止めつつ、自律的に定めることができるはずのものであります。そうすると、第三者的見地からの審査を施し、公正さを担保する必要があるのは、議員報酬と同様であります。そこで、報酬等審議会への諮問事項に、議員の期末手当の支給割合を追加する改正を行うべきであります。
 付言いたしますが、我が会派が従前より主張しております通り、本議案のみならず「県議会の選挙区並びに定数条例等」についても、議員自らの利害に関係する内容である選挙区や定数、報酬や期末手当をお手盛りで決めてしまって言いわけでなく、我々は第三者的見地による公平さを担保すべき内容だと思います。これらは議会改革の重要な項目にもかかわらず、何も体系的な議論もせず、場当たり的に決めてしまうのはいかがなものかと思います。早急に、議会改革を議論する場を設け、期末手当の件等も含めて体系的に議論をすべきものだということを付言し討論といたします。

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